もちろん、背中のことです。津軽弁では、「せ」が「へ」になることが多く、膝は、「へじゃかぶ」となる。 ちなみに、へそは「へっちょ」である。津軽弁の「へ」を発音する時は、口を横に大きく開いてはいけない。 唇にあんまり力を入れないようにして軽く「へ」と発音する。 「へなが」に関しての訴えとしてどんなことがあるだろうか。 背中が痛い時は、「へながいで」と言う。 また、風邪で熱がある時は、「へながうじゃめぃでまぃね」と言うことがある。 「うじゃめぐ」とは悪寒のことであるが、何となく嫌な気持ちが加わったぞくぞくする状態で、 単なるぞくぞくする寒気のことではない。 津軽弁での「へなが」の範囲は標準語と同じであるが、青森県でも南部地方では肩甲骨のあたりを 「けんぴき」と言って背中と区別することが多いようだ。 また、南部地方では上腕のことは「けな」というが、「かいな」から「けな」となったものであろう。 「かいな」は腕の雅語的表現であるとされているので、昔の言葉が残っていることになる。 「かいな」は相撲でも使われているのは承知の通りである。津軽地方では標準語と同様に「うで」である。