「借金棒引き」の経済学
北村龍行著、集英社新書
★★★★☆
2001/01/10 掲載

巨大銀行に巨額の公的資金を注入し、ゼネコンや流通グループの巨額な負債は「棒引き」にするという、まさに、中世に始まった「徳政令」が、現代の世の中で行われています。日本全体の金融システムを維持するためには仕方がないのかもしれません。しかし、医療費を削減するために患者負担を増やし、私企業の不良債権処理のために巨額な資金が使われるのは、単純な国民としては釈然としないものがあります。