「よろった」は「ろ」に軽いアクセントがあり、「っ」は軽く短く発音される。単に「よろ」ともいう。太もも、大腿のことである。津軽弁のアクセントは終わりの方にあることが多いが、「すねから」も「ら」にアクセントがある。「すね」は多少鼻音になる。
標準語の「すね(臑、脛)」から連想すると膝から下を考えるが、若い女性が超ミニスカートをはいている時に、「すねから出して!」などというのを聞くので、「すねから」は下腿だけでなく、大腿の一部を含む場合が多いようだ。太い大腿を『すねから』ということは少ない。この場合は『よろった』というだろう。原則として、「すねから」という時には、すらりと細い下肢を連想する。
外来で、「すねからやめでまぃね」と下肢をさすりながら訴えるのは、神経痛持ちのやせたおばあちゃんで、「よろったやむ」のは、糖尿病のコントロールが良くない小太りのおばさんである。

『私は、外来での津軽弁は100%理解していま~す!』

近頃の子ども達の話を聞いていると(何のためらいもなくこんな書き方をしている自分に気付き、私も年をとったものだと・・・・)、津軽弁を使うことが少なく、そのまま標準語として通用しそうだ。次の世代では津軽弁がほとんどなくなるのかも知れない。
以前、青森県立中央病院医誌に『医学津軽弁ひとくちメモ』と称してコラム欄をもらったことがある。ニュースレターで改めて加筆して、書き直してみることにしました。津軽弁といっても、地域により別の意味を持ったり、別の言葉が使われていることがあります。この消えてゆく津軽弁を少しでも記録に残そうとするのが、この連載の目的です。
通院している患者さんは、私よりも長く生きている人が大部分ですので、津軽弁について教えてください!!