大学のセンター試験を初めとして、高校入試も間近に迫ってきています。わが沢田内科医院でも4人の受験生がいます。 これまでニュースレターでお知らせしていましたが、数年をかけて進めてきた計画がいよいよ終盤を迎えています。
平成16年4月、准看護師の資格を持つ5人の職員が放送大学に入学しました。大学を卒業することが目的ではありません。将来、青森県に通信制看護学校が設置されるという予想のもとに、看護師国家試験受験資格を得ることが目的です。看護学校の卒業に必要な単位の約半分を放送大学で取得した単位で代えることができることが分かっていましたので、予め単位を取っておいて、看護学校に入学した後に楽をしようという作戦でした。しかし、入学する看護学校が現実には存在していなかったためか、放送大学での勉強はせいぜい半年に2教科程度と、身の入るものではありませんでした。
ところが、私の予想よりも早く、平成18年4月、東北地方では初めて、八戸看護専門学校に通信制課程が開設されました。早速、井上真利子さんと清野法子さんが入学しました。翌年4月には菊池千枝さんが入学しました。通信制課程への入学資格は、准看護師として10年間の実務経験があることです。そして、この10年間の経験を、通常の看護学生が病院で行う実習の一部として認めてくれます。
八戸看護専門学校へ入学した後は、放送大学での単位取得だけでなく、看護学校のレポートと試験、病院での実習などが重なり、スケジュール的には非常に大変な時期もありました。おまけに、八戸看護専門学校での単位取得を間違え、井上さんと清野さんは1年留年してしまいました。このために、幸か不幸か3人同時に卒業することが決まり、看護師国家試験受験資格を得ることができました。2年前から放送大学で単位を取っていましたので、他の人たちに比べて楽なスケジュールで卒業できたようです。なお、2人が留年したのは試験をパスできなかったためではありませんので、名誉のために申し添えます。
さて、晴れて八戸看護専門学校を卒業できる連絡を受けましたが、ここからが問題です。3人の平均年齢は39歳、お腹の中の1人を含めると子どもの数は合計7人、数々の困難を克服しながら2月22日の国家試験に向けて勉強の毎日です。記憶力がさびつき始め、回転もスムーズでなくなった頭に鞭打ちながら、年末年始も返上しての受験勉強です。他の職員の協力だけでなく、ご家族の協力も大切です。幸いにも、仕事を終えて家へ帰ると、この3人は箸を持てばいいだけの環境にあります。この原稿を書いている1月初めの時点では、国家試験の合格点には達していません。残り1ヶ月の頑張りで決まります。 結果をご期待下さい。
平成17年4月から、臨床検査技師の宇野洋子さんが私たちの医院に加わり、腹部超音波検査のトレーニングを開始しました。これは、患者さんの腹部超音波検査を検査技師が行うことで、私が外来診察に専念することを目的としています。私の計画では、平成20年に超音波検査士の試験を受けるつもりでしたが、受験資格を得るには1年足りず、平成21年2月に受験することになりました。
宇野さんは、沢田内科医院へ就職するまでは超音波検査の経験はありませんでした。これまで、年間約1,000例の検査を4年間行いました。最初の3年間は、宇野さんが検査した後に、すべて私がチェックしてトレーニングを行いました。次第に実力がついてきましたので、ここ1年は宇野さんだけで検査を終了することが多くなりました。青森県での超音波検査のパイオニアである青森県総合健診センターの須藤俊之所長に診断能力を認められ、経験症例を提出しての審査をパスし、2月8日に超音波検査士の学科試験を受けることになりました。
宇野さんも実技面では太鼓判が押されましたが、学科試験を通過しなければ超音波検査士にはなれません。超音波の診断面では全面的に協力できますが、理論的なことは私には分かりませんので研修にも出かけています。ニュースレターでの報告は5月になりますが、ご期待下さい。
看護師も超音波検査士も、簡単な講習を受けたり、形式的な書類審査で得られる資格ではありません。何年にも渡る努力の結果得られるりっぱな国家資格、学会認定資格です。試験の前にこのようなことを書くとストレスになります。しかし、広く宣言することで後戻りできない状態にした方が励みになると思い、皆さまに紹介いたしました。
第49号より