朝、医院へ出勤するとまずメールのチェックです。急ぐものはすぐに返事を書きますが、読むだけです。カルテは電子カルテではありませんから手書きです。しかし、紹介状を書く時は、手書きすることはなくキーボードに向かいます。レントゲン写真はデジタル化してフィルムは使用していませんので、必要な場合はCDに書き込んで情報提供します。内視鏡写真もフィルムは使用せずに保存し、必要な場合はプリントするかCDに書き込みます。
夕方、診療が終わると、介護保険の意見書、病歴要約、問い合わせへの返事、紹介状の作成、などのためにパソコンの前に座ります。大体、1時間はかかります。診療していて分からないことは、インターネット上の情報を集めて調べます。今は、図書館へ行かなくても医院や自宅の机の上でほとんどの情報を得ることができますので、一人で開業していても不自由を感ずることはありません。ただ、英文で書かれた情報が、日本にも当てはまるのかはきちんと確かめなければいけません。
夜はメーリングリストでの情報交換の時間です。このお陰で、新しい知識をたくさん得ることができます。メールを受け取るだけでは不十分で、自分も発信しなければ情報は増えません。このために多くの時間を使いますので、前に比べると本を読む時間が少なくなってしまいました。音楽を聴くのも休日にしかできなくなってしまいました。
確実に言えることは、インターネット上では英語で書かれた情報が量的に圧倒的に多いことであり、質的にも優れたものが圧倒的であるということです。インターネット上の標準語は英語と言っても差し支えありません。将来、言語の翻訳が機械的にできるようになるかも知れませんが、現在のところ、英語を理解できる人の方が容易に良質の情報を得ることができます。
どっぷりパソコンとインターネットに浸かった生活をしていると、パソコンの具合が悪くてインターネットにつながれていない状態で仕事をしていると落ち着きません。1ヶ月ほど前から、診察室で使用しているパソコンの具合が悪くなってきました。半日ほど使えないことがあり、そろそろ限界かと思っていた時期でしたので、新しいものと交換しました。こうなると、一種の中毒のようなものです。しかし、先日、消化器がん検診学会で札幌へ行った時は、インターネットにつながっていなくても何ともなかったので、本物の中毒ではないようです。
第52号より