平成14年の人間ドック全国集計によると、約284万人の受診者のうち、87%は何らかの異常があり、 『健常者』はたったの13.3%でした。異常者が多くなった原因として、①生活習慣の欧米化、 ②一部疾患の診断基準の変更、③人間ドック受診者の高齢化、④社会環境悪化によるストレスの増加、 などが考えられています。
項目別では、肝機能異常が26%と最も多く、高コレステロール血症24%、肥満21%、腎膀胱疾患16%、 高中性脂肪血症14%、高血圧14%、胆石胆のうポリープ12%、耐糖能異常12%の順でした。 男女別で最も多く見られる異常の割合は、男性では肝機能異常が32%、女性では高コレステロール血症が24%でした。
癌について265万人について解析すると、何らかの癌が発見されたのは6,521人(発見率0.2%)でした。 胃癌が33%、大腸癌が23%、肺癌が8%の順でした。発見された胃癌の78%が早期癌で、96%は手術ができたということです。
人間ドックを受けた中で、何も異常がなかった『健常者』は13%ですが、残りの87%の人は病気かというと、 そういうわけではありません。 検診の結果で異常を指摘されると、非常に心配する人がいますが、異常があったからといって、 治療が必要な病気があるわけではありません。前にも書きましたが、結果が出たらその報告用紙を持参して下さい。 それを解釈して、どのようにしたらいいか相談しましょう。
第17号より