先日、青森県の高校入試問題が新聞に載っていた。数学は、基本的な計算問題に100点のうち42点が配点されていた。その他の証明問題などを見たが、単純な計算や記憶力ではなく、考え方が問われていると感じた。職員の子どもたちの試験後の感想はむずかしかったということだが、私には難しいのかどうかの判断はできなかった。
私は看護専門学校の教育に関与している。弘前市医師会看護専門学校には、高校卒業生が入学してくるが、その基礎学力は十分なものではない。毎年、大学卒業生も何人か入学してくるが、高校卒業生との学力差が大きいとは思えない。
例えば、数学を例にとれば、中学校での内容を十分に理解しておらず、高校ではほぼ何も加えられずに卒業しているのが実情ではないだろうか。看護師国家試験で必要な中学校程度の数学で苦労している学生が多数います。漢字の読み書きではどうだろうか。私はこの6年間、弘前高校と弘前南高校の学校評議員を務めてきました。生徒が作った手書きの研究報告を読む機会がありましたが、誤字の何と多いことか。これが進学校といわれる学校の生徒かと思われるものが少なからずありました。
高校進学率はほぼ100%であり、希望すればほぼ全員が入れますし、大学も選ばなければどこかに入れるというのが現在の高等教育の実情であろう。これはかなりの高校生が学力不足のまま高校に在籍していることを意味している。そして、高校は学力不足のまま大学へ進学させていることになります。
「高学歴・低学力化」といわれ、分数の足し算ができない大学生がいるという事実は広く知られている。今年の高校入試の問題を見ると、中学校までの教育内容は非常に高く、中学校までの内容を習得すれば、社会人の教養として不足はないと思われた。中学校は、この内容を習得しなくても卒業できます。もしも、中学校の内容を習得できなかったのであれば、高校で習得できる制度が必要である。
看護学校で必要とする国語や数学、英語の内容は中学校の内容で十分である。しかし、高校教育を受けているはずの学生が、中学校の内容を習得していない事実は、高校ではほとんど習得内容が更新されていないことを意味している。ほぼ全入状態の高校では、中学校程度の学力を身につけさせて送り出してもらいたいものである。
第92号より