8月17日、茂森新町の納涼祭がありました。今年は、沢田内科医院も参加しました。目的は、新しく企画している大腸がん検診と胃がん検診のキャンペーンです。 午前中に刷り上ってきた「大腸がんは検診がんはピロリ」と書かれた手拭を持って職員4人と出かけました。

沢田内科医院の大腸がん検診の内容を見ると、検診を受けると大腸がんを早期の段階でたくさん診断できることが分かります。 そして、治療すれば助かることがはっきりしています。一方、大腸がん検診を受けずに、大きくなってしまった大腸がんで受診する患者さんが何人もいます。 この状況を見ていると、私はもどかしく思うのです。私ができることが目の前にあるのにできないのですから。

弘前市の大腸がん検診受診率は23%と悲惨なものです。 弘前市としては、いろいろな手を使って受診率を上げる努力をしているようですが、なかなか効果が現れません。 弘前市医師会で対策を立てるのもひとつの手です。しかし、弘前市全体を対象にしたのでは、これまでと同じ結果になりそうです。 そこで、茂森新町限定で大腸がん検診の受診率を上げることを企画したのです。

お知らせを出して自発的に大腸がん検診を受けるシステムには限界があるということですから、こちらから出かけて行って受けてもらおうという企画です。 しかし、沢田内科医院のスタッフが地域に出て行って受診を呼びかけるのは無理ですので、町会という組織と連携して行うことにしました。

町会幹部の皆さんが一生懸命に活動しても、地域の人たちがそれに反応しなければいい結果は期待できません。でも私は期待できると思っています。 茂森新町は古い歴史のある町です。そして、何よりも茂森新町ねぷたを通した結束の固さがあります。ここでは、まとまって何かができると確信しています。

そこで、町会と一緒に活動するに先だって、地域の人たちに、「大腸がん」、「検診」というキーワードを目にしてもらい、 頭の中に入れてもらおうというのが納涼祭に参加する目的でした。 ついでに、「胃がん」と「ピロリ」という言葉も頭の片隅にでも入れてもらえれば、今後の計画に役立つという一石二鳥を狙ったものです。

左が小堀未希さん、前が相馬知香さん、後ろが澤田美紀子さん、右が竹内弓子さん

納涼祭は町内の集まりですから、知っている人が7、8割です。町会の人は、集まってくる人が私たちのところを通って会場に入るように誘導してくれました。 私たちは、みんなに手拭を配って、大腸がん検診が大事なこと、胃がんはピロリ菌による感染症であることを強調しました。 町会の計らいで、ゲームなどで楽しんでいる間に、参加者に対してお話をする時間まで割いてくれました。ありがたいことでした。

「大腸がん」、「検診」というキーワードが広く知られた状況に「大腸がん検診」を投げ込めば、受診する人が増えると考えているのですが、どうなるでしょうか。 大腸がん検診は、毎年繰り返すことが重要ですので、あまりあわてず徐々に浸透させて、大腸がんで「早過ぎる死」を迎えないようにしてもらいたいものです。