3月9日に仙台で糖尿病療養士認定試験がありました。2ヶ月以上経った5月下旬に待ちに待った合格通知と認定証が送られてきました。 日本糖尿病療養指導士認定機構という全国組織があり、糖尿病について知識と患者さんへの指導力があると認定されたということです。
この試験の受験資格は、2年以上の糖尿病療養指導の経験があること、指導時間が 1,000 時間以上あること、10 例の経験例を提出すること、などです。 その上で認定試験をパスする必要があります。今回の合格率は約 75%でした。
沢田内科医院では、昨年4月から管理栄養士の木田久美さんが週に1回食事指導に来ています。その時に、糖尿病に関する検査や指導を行っています。 これをまとめて「糖尿病外来」と呼んでいます。 「糖尿病外来」では、通常の血液検査と食事指導の他に、頸動脈超音波検査、眼底検査、下肢動脈硬化検査、下 肢末梢神 経検査、 フッ トケ ア という 足 病変のチェック、糖尿病に関する講義、などを行います。 小堀さんは、「糖尿病外来」の療養指導で中心的な役割を果たしていますので、糖尿病療養指導士の認定試験に合格するのは当然のことだったのです。
沢田内科医院には 500 人ほどの糖尿病患者さんが通院しています。私が短い外来診察の間に全てのことを指導するのは不可能です。 管理栄養士、看護師、臨床検査技師などと連携して治療にあたる必要があります。 管理栄養士が栄養指導するのはもちろんですが、看護師が糖尿病に関して教育を行い、特に足病変を観察してくれると医師は大変助かるわけです。 もちろん、患者さんは医師の診察だけではなく、こうして指導を受けることで、糖尿病の合併症を予防したり、それ以上進行しないようにできるわけです。
この6月から、5人の看護師が糖尿病療養指導士を目指して勉強を始めました。公表しておきますが、井上真利子婦長、菊池千枝さん、尾野真紀さん、澤田美紀子さん、西谷鮎子さんの5人です。 本を読んで知識を身につけるだけでは、療養指導はできませんので、「糖尿病外来」で体を使った実践も必要です。小堀さんは、この勉強会で「未希先生」として、みんなの指導にあたっています。 私も自分でやらなくて済みますので大変助かっています。こうして、次の糖尿病療養指導士が誕生するのを楽しみにしています。
極端に言うと、糖尿病は全身の血管の病気です。看護師にとっては糖尿病を勉強することは人の全身のことを知ることにつながりますので自分のレベルアップにつながります。 患者さんにとってはもちろん望ましいことですし、看護師のレベルが向上すれば医院のレベルが向上します。一石三鳥にもなるわけです。
臨床検査技師の宇野洋子さんは青森地域糖尿病療養指導士の資格を持っています。 糖尿病患者さんの検査を担当していますが、患者さんに直接関与できることはそれほど多くはありません。 糖尿病患者さんを指導できる看護師の数が増えると、もう少し「糖尿病外来」を発展させていきたいと思っています。ご期待下さい。
第82号より