新しい年が始まりました。年の初めに、今年はどうしようかなどとよく考えます。もちろん今までやってきたことを基本にして、何か新しいことを付け加えて発展させようということです。17年前に開業しましたが、医院の増改築や内部の改装などいろいろなことを変えてきました。

(1)事務長の交代と事務職員の増員
これまで移行期間だったのですが、今年の4月から、妹の沢田和枝が務めてきた事務長の仕事を米谷真琴さんに任せることにしました。現事務長は完全に退職するわけではありませんが、第一線を引退します。これに伴って新しく事務職員を採用することにしました。

事務の仕事はものすごく多くなっています。私自身も診療していて書類が多くなっていることが分かります。従来から行われていた通常の診療に伴う書類の作成はともかく、特定健診や後期高齢者健診、各種がん検診、予防接種、とにかく書類を作らないことには何も進まないのです。もちろん、書類を作るのは事務職員だけでなく看護職員もこれに振り回されます。書類を作ることに時間がとられると、患者さんに対応する時間が短くなります。事務書類は増えるのですから、人を増やして対処するしかありません。

(2)看護職員の増員
弘前市医師会看護専門学校は、働きながら看護師になるという特徴があります。大学や専門学校のフルタイムの学生は日中に勉強しますが、弘前市医師会看護専門学校の学生は日中は医療機関で働き、夜に勉強します。現在、沢田内科医院には4人の学生が准看護師として働いています。

3年生の福井絵梨果さんは、4月から弘前脳卒中リハビリテーションセンターに勤務することに決まりました。実は、沢田内科医院で勉強して他の病院へ飛び立つのは初めてなんです。今まで3人が卒業しましたが全員そのまま勤務しているのです。

看護職員が1人減りますので、准看護師の新人2人を採用することにしました。これで看護職員は1人増員となり13人になります。8人が看護師で5人が看護専門学校に在籍する准看護師です。看護師が8人ですので、看護学生が実習などで仕事ができない場合でも何とかカバーできます。できるだけ多くの看護学生が仕事をしながら勉強する環境を提供したいと思っています。

(3)医療安全の推進
平成11年に横浜市立大学附属病院で心臓と肺の手術の取り違え事故がありました。この事故を契機に病院での医療事故がたくさん公表されるようになりました。その後、眼科手術や点滴の作り置きでの感染事故などで、診療所レベルでも医療事故が注目され始めました。私たちの気持ちの中にはいつも医療事故のことがあるのですが、医療事故対策が病院の大きな柱になってまだ10年ちょっとしか経っていないのです。しかし、現在は、医療事故対策というのではなく医療安全の推進というレベルになっています。つまり、医療事故対策は、医療事故を起こさないためにはどうしたらいいかというのではなく、いかに安全で良質な医療を提供するかという段階になっています。

考えてみると医療安全には医療機関で行われているすべてのことが含まれていることが分かります。患者さんが玄関に入って来た時に転んでケガをしないように配慮することから、私自身が勉強して最新の知識や医療技術を身につけることまで、全てが含まれます。ですから、「医療安全」ということを進めていけば、いい医療が提供できると考えていますので、不足していることはないか、改善できる点がないかを常に考えて行こうと思っています。

この他にも変えて行こうとしていることが何個かあります。その時代で医療機関が要求されることは変化してきます。基本的には、患者さんが求める医療を提供するのが医療機関の役目ですから、それに対応していかなければなりません。医学は医師のために存在するのではなく、患者さんのために存在するものだからです。