弘前四中の職場体験学習は驚くべきというか嬉しいものでした。今回は2人の中学生が沢田内科医院を訪れてくれました。それが何と、佐々木貴章君と佐藤隆成君の2人でした。何が驚きかというと、この2人は、沢田内科医院が誕生したのと同じ頃に生まれ、その頃からお母さんに抱っこされて受診し、成長を見守ってきた子どもたちだったのです。
子どもの頃とは違い中学生です。それも患者側から職場側と立場が逆転です。二人ともやはり借りてきた猫状態でした。心の中で理屈では分かっていても、体がいうことをきかずなかなか大きな声が出ません。むしろ、この二人にとっては小さい頃から知っていたことが萎縮させてしまったのかも知れません。
今回の職場体験学習を通して、患者さんと職員の両方の立場を体験できたことになります。患者さんの立場では、待合室で待っている時間が長く感じますがが、診察が終わった後も、薬を用意したり、カルテで料金計算をしたりとほとんど休まずに仕事が続けられていることを知ったようです。また、受付で患者さんの名前を呼んでも返事をしてくれないことがあり、呼ばれた時に返事をすることの大切さも分かったようです。
薬局での薬の準備や点検、事務では受付やカルテの準備、診察室では治療や検査の見学、病棟ではベッドメーキングや血圧の測定、給食の準備や配膳、スリッパの消毒といろいろ経験しましたが、あまりに多くて表面だけの体験になってしまったかも知れません。医院で行われていること全部を体験してもらうように計画していましたが、もう少し職種を絞って、集中して体験するようにした方がよかったのかもと反省しています。
1日が終わるごとに、短い時間でしたが振り返りの時間を設けてみました。ちょっとむずかしかったかも知れませんが、大人は何のために仕事をしているのかも一緒に考えてみました。また、医院のように人を相手にする職業では、自分の考えや思っていることを、言葉や表情を通して人に伝えることが非常に大事であることも知ってもらいたいと思いました。今回の職場体験学習が将来の自分の姿をイメージするのに少しでも参考になれば幸いです。
それにしても、開業して14年という年月が経ってしまった。あの子どもたちが、こんなにでっかくなってしまった。人生は長いようで短い!!
第52号より