病院で測る血圧は家庭で測る血圧より、平均すると約10mmHg高いと言われています。 特に、普段は正常な血圧が、診察室で測ると極端に上がる人がいます。これが「白衣高血圧」です。

たまたま、血圧がちょっと高いことが分かり、24時間血圧計をつけた立石真樹さんです。
お腹が少し出ていましたので、シャツを着て写真を撮らせていただきました。

病院に限ったことではなく、検診の会場や訪問した保健婦さんが測っても高くなる場合があります。

白衣高血圧でも、5~6年すると本当の高血圧になる人がいますので、白衣高血圧だからと安心して そのままにしていてはいけません。ちょっとした緊張などで血圧が頻繁に上がると、「心臓肥大が起こる」、 「高血圧と同様に動脈硬化や腎臓障害をもたらす可能性もある」、という意見もあります。 ですから、白衣高血圧の場合は「高血圧の予備軍」と考え、運動をする、食塩を抑える、太らないようにするなど、 血圧を下げるように生活習慣を変えないといけません。

この「白衣高血圧」の存在を確認したり、家庭での普段の血圧を知るために、私たちの医院では 『24時間血圧計』を使用しています。上腕部に血圧計を巻いておくと、腰につけた小さな器械が 自動的に血圧を測定します。起きている間は30分ごと、寝ている間は1時間ごとに血圧が測定されます。 睡眠中や早朝、昼間など1日の血圧の変動リズムが分かり、仕事や運動の時の血圧値も知ることが出来ます。 この血圧計は1日中つけていますが、普通に仕事ができますし、血圧計をつけていることは周りの人には分かりません。

24時間血圧計で確実に血圧が高いことが確認できれば、高血圧の治療を開始します。 頭が痛かったり、めまいがして病院を受診し、一度だけ測った血圧を見て薬を出してはいけないと私は考えています。 また、家庭用の血圧計がある人は、自宅で血圧を測り、受診した時に教えてくれると大変参考になります。 いずれにせよ、病院で測った血圧だけで高血圧の治療をすると、間違った治療をしてしまうことがありますので、 24時間血圧計を使ったり、自宅での血圧を参考にしたり、あるいは、何回か通院してもらい血圧を繰り返し測って、 高血圧を確認する必要があります。