11月7日から9日までの3日間、私の母校西目屋中学校2年生の三上純三郎君が職場体験をしました。これまで職場体験に来た中学生と同じように、最初は表情が硬く緊張していました。 中学2年生が1人で、まったく知らない医療機関に来て、しかも知らない大人の中で職場体験をするのですから当然のことです。
薬局の仕事はテキパキとやっていたようです。病棟ではシーツ交換などを行い、結構、フットワークが軽いところを見せていました。声を出して患者さんを診察室に招き入れたり、診察する時には、介助して手伝ってくれました。
聴診器を使って、患者さんの心臓の音、呼吸する音も実際に聴きました。臨床検査技師の宇野洋子さんには腹部超音波検査をしてもらい、自分の肝臓や胆のうなどの写真を撮ってもらいました。 お腹の中の肝臓や膵臓は動きませんが、動いている心臓が見えると興味を示していました。「その写真をアルバムに貼っておいてよ!」と言うと、「ハイ!」と答えていました。
医療機関ですから検査がたくさん行われています。そして、検査を受ける患者さんの多くは不安を抱えています。 そのことに気づいて欲しくて純三郎君には検査を終えると患者さんにインタビューしてもらいました。 いきなりインタビューするように言われた純三郎君は、知らない患者さんに質問するのは難しかったらしく、どうしても誘導尋問風になってしまうため、答えが「はい」、「いいえ」となってしまい、なかなか話が続きませんでした。 もう少し、テクニックを教えた方がよかったなぁと反省しています。
いろいろ経験したいと期待していたことでしょうが、思いがけないことにも出会いました。将来、医師になりたいと希望している純三郎君は、まず、胃の内視鏡検査を見たいと言いました。 検査を見ると具合が悪くなる人がいますので、この点を確認すると大丈夫だとのことでした。 しかし、実際に人の胃の中を見るとちょっと具合が悪くなりました。気持ちを入れ替えて、大腸の内視鏡も見学しましたが、動く大腸の中を見ていると、やはり軽い脳貧血を起こしてしまいました。
3日目は、仕上げとして体験するだけでなく、職員に対してインタビューする時間を設けました。 井上真利子婦長と澤田美紀子さんには、今の仕事を選んだ理由、これまで仕事をしてきたことに関すること、仕事をしていて嬉しかったことなどいろいろ質問をしていました。中には答えに詰まったこともあったようです。
中学生の職場体験ではできるだけ話をするようにしているのですが、今回は私自身が十分な時間を取れなくて残念でした。 3日目にはやっと慣れてきたのか、笑顔を見せるようになりました。最後にやっと歯を見せてくれました。それがこの写真です。純三郎君、頑張って医師になって下さい。
第72号より