沢田内科医院ニュースレターを書き始めて15年が過ぎました。5年間に書いた30号を、「鶏肋(けいろく)」と名付けて製本してきました。今回は61号から90号までをまとめて、「鶏肋 その3」を発行しました。沢田内科医院に通院する皆さんに、私たちが何を考えて医療活動をしているのかを知ってもらうのが目的ですので、今回印刷した2,000部も通院している皆さんに持って帰ってもらっています。

「鶏肋」は「けいろく」と読みます。「鶏肋」という題名は、その後の生き方に強い影響を受けた、高校時代の小田桐孫一校長の論説集『鶏肋抄』からいただきました。『鶏肋抄』のはしがきにその意味が書かれています。

鶏肋という言葉の出所の一つは後漢書である。それにはこう書かれてある。
「それ鶏肋は、これを食すれば則ち得るところなく、これを棄つれば則ち惜しむが如し」。
鶏のあばら骨は食うほどの肉はないが、棄ててしまうのは惜しい気がするものというのである。

多くの人たちにとっては価値がないニュースレターですが、私たちにとっては棄てるのは惜しい気がします。事実、ニュースレターを読み返してみると、沢田内科医院で行ってきたことがよく分かります。沢田内科医院の歴史を見ているような気になります。

今回の「鶏肋 その3」で目立つのは、看護専門学校のこと、放送大学のこと、看護師の院外研修や看護学士のこと、糖尿病療養指導士のこと、中学校の職場体験のこと、弘大など初期臨床研修のこと、つまり、人を育てることに関する記事です。自分の年齢を考えて、10年ほど前から、意識的に人を育てることに力を入れてきましたので、当然のことです。