標準語ではありません。津軽弁です。口の中の上の部分、口蓋のことである。軟口蓋、硬口蓋を含めた広い領域を指す。 「あげた」にはアフタができたり、カビがくっついて、しょっぱい物が沁みて食べられないことがある。 特に、悪性腫瘍で化学療法を行っている時には気をつけて観察する必要がある。
また、総入れ歯の人たちの話を聞いていると、口蓋に相当する朱色の部分だけではなく入れ歯全体、 それも上の入れ歯だけでなく、下も含めた両方の入れ歯全体を「あげた」と言っているようだ。 総入れ歯の材質は改良されてきているようではあるが、この原稿を書きながら、 「あげたさ、もぢねぱってまね」とよく言っていた亡くなったジサマを思い出した。 余談ではあるが、甘えん坊のことを「したねぱり」という。子どもが母親に甘える時の声は、 舌が「あげた」あるいは「ほっぺた」にねっぱって発音される。 舌をねっぱらせて甘える(津軽弁で「うじげる」という)ので、「したねぱり」というのであろう。 また、舌足らずで思うように話せない人のことも「したねぱり」という。 納豆の原産地はネパールだと教えたら、本気にした看護婦がいたが、これは青森でしか通用しないでしょうね。
ニュースレター
第22号より
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