現在の医院は16年前に建てました。 一度、部分的に外壁を塗り替えたことがありますが、大雨で強い風が逆から吹いてくると雨漏りがしたことが何回かありました。 いろいろ調べてもらいましたが原因は分かりませんでした。 外壁が所々で傷んでいましたし、知らないうちに雨漏りがして鉄骨でも腐敗してきたら大変だと思い外壁を替えることにしました。
外壁を替えるというのは結構大掛かりな工事ですのでちょっと調べてみました。カタログを見ても実際とは違うことはこれまで経験済みです。 まず、市内の建物に目を配ってみました。自分で車を運転しながらではできませんので、タクシーで移動する時に見回しました。 そして、暇な時に実際に見に行きました。その結果、外壁には流行があり大体いつごろ建てたものか分かること、 雨で汚れがつきやすく目立ちやすい色や材質があること、などが分かりました。
デザインと材料がほぼ決まりかけた頃、石材店の方から新しい提案がありました。それは私が全く知らないものでした。 中国から輸入した御影石だというのです。値段も高そうでしたが、予定していた外壁材料とほぼ同じでしたので予算の心配はありませんでした。 石ですから当然のことですが結構な重さがあり、ちょっと考えると地震で揺らされると剥げ落ちてきそうな感じがしました。 しかし、これまでの実績を見るとそんなことはないようです。3月11日の地震ではかなり揺れましたが、被害は全くありませんでした。
これまでの外壁はそのままにして、その上に貼り付けています。外壁の上に金物を貼り付け、その上に接着剤で石の板を貼り付けています。 石の板の大きさは60cmx30cmで厚さが1cm程度です。これを1枚1枚貼り付けるのですからちょっと時間がかかります。剥げ落ちそうですが、 2種類の接着剤を混ぜ合わせると、接着剤そのものが石のように固まってしまい御影石をくっつけてしまうのです。
完成したものを見ると、予想したよりも落ち着いたものになりました。ただ、単純に石だから硬くて耐久性があるものと思っていましたが、 石によっては吸水性が高く汚れやすいものもあるようです。今回使用した石は磨いて光っていますので汚れも目立つかもしれません。 大きなビルではガラスを定期的に拭いていますから、これも何年かしたらきれいに拭く必要がありそうです。 何ごともメインテナンスにはお金がかかります。
この外壁工事と同時に医院の増築工事も行いました。本を置くスペースが狭くなりどうしようかと思っていましたが、 どうせ外壁の工事をするのだからついでに待合室を拡張して大きな本棚を作りました。 ここはソファーがまだ入っていませんので、次の機会に公開します。
第64号より