12月3日から1ヶ月間、国立病院の2年目研修医の中村明恵先生が地域医療研修を行いました。実は、初日の12月3日朝、中村先生から何時に行けばいいかと電話がありました。毎年、国立病院から研修医が来ているのですが、今年は来ないと思っていました。まだ認知症にはなっていないと自覚していますので、書類を受け取っていれば覚えていると思うのですが、今回はまったく記憶にありませんでした。
これまで何人も研修に来ていますので、いつでも引き受けることができます。とにかく1ヶ月間の研修をやりましょうと外来の診察室を研修ができるように配置して開始しました。ただ、12月は年末ですので医師会などの仕事がたくさんあり、診療を終わった後の時間がほとんど取れないのを覚悟して始めました。
開業医での地域医療研修は、特別な手技を身につけるには短か過ぎるので、通院患者さんの診察が主体となります。話を聞いて状態を理解し、診察して身体所見を把握し、そして、どのような状況であるかを判断して患者さんと今後のことを決めます。しかし、12月はインフルエンザワクチン接種の月で、各種健診もピークを迎える時期です。診察した所見を中村先生と確認する時間は、これまでの研修医とは違い十分に取れませんでした。
病歴を取る時のコツ、身体所見の取り方、糖尿病や高血圧などありふれた病気のこと、いろいろなことを経験しながら1ヶ月間を過ごしました。中村先生は、学生時代の知識は十分なのですが、それが臨床の現場ではどのような形で現れているのか、どのように運用するのかはまだ不十分なようでした。
3月で2年間の初期研修を終える中村先生は、消化器外科医を目指しています。八戸出身の中村先生は、話をしていると患者さんからどこの出身なのかをよく聞かれていました。弘前出身でも、標準語で話をしている研修医がたくさんいますが、そんなことをしないで自分を表面に出して接している中村先生は、患者さんに信頼される医師になることは間違いありません。
第109号より