4月22日に小堀未希先生が誕生しました。弘前市医師会看護専門学校の非常勤講師として准看護学科学生に対して講義を始めました。最初は内分泌疾患と糖尿病代謝疾患だけとの話でしたが、何と、腎泌尿器、脳神経、アレルギー免疫の分野も担当することになりました。
特に、腎泌尿器科は沢田内科医院の仕事とはもっとも遠い分野です。膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石、せいぜいこんなものです。そこで、ESTクリニックの工藤誠治先生にお願いして、主に透析について勉強してきました。本では知っている透析の原理や器械のことなどを教えてもらい、血液透析や腹膜透析を実際に行っている現場を見せてもらいました。
弘前市内で透析を受けている人の概数は、鷹揚郷腎研究所弘前病院で550人、弘前中央病院で100人、ESTクリニックで170人とのことです。日本全体では、透析患者さんは約30万人です。糖尿病で腎不全になる人が一番多く、年間17,000人が透析を開始しています。学生にはこんなことも含めて臨床の空気を伝えることができるようになったと思います。
小堀さんは、もちろん学生として講義を受けたことはありますが、その講義がどのようにして準備されたものであるかは知りません。講義内容を最初から自分だけで考えて構成することは簡単なことではありません。そこで、どんな内容にすると学生が興味を持って聴いてくれるかを私の経験からアドバイスし、笑いを誘ったりする場面も散りばめて、一緒に構成を考えました。
文字だけの教科書だと面白くありません。幸い、最近はインターネットでいろいろな情報がすぐに手に入ります。そこで、小堀さんが独自に作ったテキストにしたがって、解説用の画像だけのスライドを作ることにしました。そして、臨床現場の話をすることで、教科書や文字が主体の資料を使ったこれまでの講義とは全く違った構成になりました。学生たちは居眠りもせずに聞いてくれること間違いありません。
最初の講義の後で状況を聞いてみました。そうしたら、眠っていた学生が一人いたようです。どんな面白い講義でも、90分もやられると眠くなるのが普通だと思うんですけど、小堀さんは、何時間もかけて作った講義だから眠らずに聴いてくれることを期待していたようです。世の中、そうそう自分の思い通りには動いてくれないものなんです。
看護専門学校を卒業してまだ4年ですので、臨床経験が豊富というわけではありません。講義を通じて、学生たちに臨床現場で行われていることが少しでも伝わり、看護を勉強しようという気になってくれような講義をすることを期待しています。
第87号より