皆さん初めまして、弘前大学医学部附属病院から沢田内科医院へ1ヶ月間の研修に来ました初期臨床研修医の立崎善郎と申します。こちらの文章は沢田内科医院のウェブサイトにあるニュースレターへ掲載して頂けると伺っており、通院されている患者さんはもちろん、患者さんのご家族やこれから来院を考えていらっしゃる方、近隣病院の職員や私のように研修に来る予定の研修医、医学生、看護学生の皆さんなどたくさんの方の目に留まると思います。大変恐縮ですがこの場をお借りして私の自己紹介や今回の研修での感想などを述べさせて頂きます。
私は小さい頃に沢田内科医院のご近所である常盤坂や茂森新町に住んでおりました。その後青森市へ引っ越し、紆余曲折を経て弘前大学医学部を卒業しました。現在、初期研修医2年目として沢田内科医院にて研修しており、故郷に帰ってきたという気持ちでした。有り難いことに子どもの頃の私を覚えていて下さり、お声掛けして頂いた患者さんにもお会いすることができました。日々の研修では、診察に検査に発熱外来に院内を駆け回る直也先生の後ろを必死に追いかけて行動して少しでも多くのことを吸収できるように勉強させて頂きました。また、直也先生のご指導の元で問診・診察も行わせて頂きました。沢田内科医院の患者さんは美彦先生・直也先生に診てもらいたいから通院しているという患者さんが非常に多く、その中で研修医の自分が診察させて頂くことは恐れ多く、患者さんの不利益にならないようにしっかり行わなければという気持ちで診察させて頂きました。この場をお借りして診察させて頂いた患者さん、ご指導頂いた直也先生、診察のサポートをして頂いた看護師さん達へ感謝を申し上げます。
さて、ここで初期研修医とは何かについて少し説明します。医師になるためには大学医学部へ入学後6年間のカリキュラムを卒業し、卒業年度の2月に医師国家試験を受験する必要があります。晴れて合格すれば医師免許を取得して医師となります。そして4月から最初の2年間は初期研修医として、内科・外科・小児科・産婦人科・精神科・救急科などさまざまな診療科を順番に周りながら、各科の指導医の元で専門性の高い研修や医師としての基本を学んでいきます。2年間の初期臨床研修を終えると、大多数の研修医は臨床医としてそれぞれの専門科を選択していきます。現代の医学は非常に高度で専門性が高く各領域に細かく分かれています。そのため患者さんが病院受診する際も、症状や疾患ごとに内科を受診するように言われたり、整形外科を受診するように言われたり、耳鼻科を受診するように言われたりするのです。「餅は餅屋」「仏の沙汰は僧が知る」「船は船頭に任せよ」「田作る道は農に問え」「弱くても相撲取り」ということでしょう。
ここで一つの問題が生じます。体調が悪くなり病院受診を考えた際に、その症状が何科の領域なのか患者さんが考えても見当つかないという事態が発生する場合があります。症状に苦しみながらもその難問を考えなければならないのでしょうか。答えの一つは自分の『かかりつけ医』を持つことです。困ったらまずはかかりつけ医を受診して相談する。かかりつけ医の診察後、必要に応じて適切な科へ橋渡しすることが地域医療のあるべき姿と考えます。今回の研修中も現在治療中の病気とは別に、「先生ついでに相談したいんだけど…」と今困っている症状について患者さんが相談する場面に何度も出会いました。直也先生はどのような症状、疾患に関しても相談に乗り、判断して問題解決へ努力されます。このような姿勢が患者さんに伝わるからでしょうか、研修初日から「沢田内科医院以外どこの病院にもいきたくない。」「入院するならここがいい。」「最期はここで。」という沢田内科医院の大ファンである患者さんに何人も出会い、良い意味で非常に驚きました。
前述した通り、研修医である私も近い将来には専門科を選択しますが、専門の道に進んでもこちらで学んだように患者さんからの相談事に快く乗ることができる、美彦先生・直也先生のような医師でありたいと強く感じました。最後になりましたが、研修期間中にお世話になりました沢田内科医院の職員の皆様に心より感謝をお伝えしたいと思います。大変お世話になりました。ありがとうございました。
第135号より