看護専門学校が休み中の8月18日に弘前消防本部を見学してきました。もちろん沢田内科医院へ救急車で患者さんは運ばれてきますし、私たちも救急車で大きな病院へ患者さんを運んでもらいます。その救急車がどのように運用されているのか、119番に電話するとどのようになっているのか、救急隊員はどのようにして待機しているのか、私たちがお世話になっている消防署の表面には見えないところを知るのが目的でした。
弘前地区の消防は、弘前市だけでなく、黒石市、平川市、藤崎町、板柳町、大鰐町、田舎館村、西目屋村の3市3町2村をカバーしています。住民は約30万人で、弘前に2つ、黒石、平川、板柳に消防署があり、分署が10ヶ所で職員が約450人います。
平成28年の1年間に、救急車の出動件数は約10,000件でした。1日平均27件、1時間に1回出動していることになります。人口17万5,000人の弘前市に限ると、出動件数が約6,400件でしたので、弘前市民は1年間に27人に1人が救急車のお世話になっていることになります。沢田内科医院から大学病院など、医療機関間の転送がそのうち約1,400件でした。心筋梗塞や呼吸が困難な患者さんなどは、普通の自動車では移動できませんので、救急車で運んでくれると非常に助かります。
予想よりも多かったのですが、救急救命士は99人いました。全員が救急車に乗っているわけではなく、事務的な仕事をしている人、研修中の人などもいます。気管にチューブを入れる資格、薬剤を使用するための研修など、いろいろな研修を受けて私たちのために頑張っていることが分かりました。
実際の消火や救急にあたる人たちは3交代ではありませんでした。1日中ずっと張り付いているようです。当然、食事も消防署の中で摂りますが、近くの食堂から出前を頼んだり、コンビニ弁当で間に合わせてはいませんでした。若い職員が別の部屋で食事を作っていました。つまり、相撲部屋のちゃんこ鍋ではありませんが、消防署の職員は自炊をしているのです。ですから、消防署員になるとかなりの料理の腕を持つ人になれるということです。
消防は昭和23年に警察から分離し、昭和38年から救急を扱うようになったそうです。沢田内科医院では、平成18年に消防署を見学したことがありますが、新しく加わった職員のために、改めて見学へ行ってきました。119番すると、いろいろな仕組みが動き出します。そして、それに備えて待機している人たちがいます。
第101号より