■ワクチン接種の状況

弘前市ワクチン予約開始 5月31日より本格的に弘前市民のワクチン接種が開始となりました。国からのワクチン供給のスケジュールがはっきりしない部分もありますが、今のところトラブルなく進行中です。通院中の方は受診のタイミングで接種していただいている方が多いですが、通常の診療と並行して行っておりますので駐車場、待合室とも非常に混み合っております。毎日130~220名(1週間では約1000人)の方がワクチンを接種していますので医院を訪れる方の絶対数が多くなっています。当院は弘前市内では鳴海病院に次いで2番目にワクチン接種をしている医療機関になります。駐車場のスペースは限られておりますので、敷地内外での事故にはくれぐれもお気をつけください。


■駐車場工事と交通整理警備員の導入

駐車場遠景

医院に向かって右側の生垣を一部撤去しました。

 ワクチン接種がはじまって、交通量が多くなり車の出入りが困難を極めています。もともとそれほど広くない駐車場ですので、車と車の接触、車と人の接触などが今後でてくるおそれがあります。そのため医院に向かって右側の生垣にしていた部分を撤去し、新たに出口を設置することにしました。出入口を二つにすることで少しでも流れがスムーズになるのではないかと期待しています。また午前9時~12時の混雑時間帯は交通整理のための警備員をお願いすることとしました。せっかくワクチン接種にきたのに事故にあったということがないように努めていきたいと思います。


■当院での接種体制

弘前市ワクチン開始記事 診療時間内はもちろんですが、それ以外にも時間外の水、金、土曜の午後に待合室を利用して集団接種のような体制で接種を行っております。本来休みだった時間を残業して接種にあてているため、職員の負担も大きくなっています。ワクチン接種というと想像するのは、予診や注射する場面だと思いますが、実際に大変なのは事前の電話で2回の予約を取ることと接種後の書類の事務処理です。これらは目立たない仕事ですが、職員は残業して一生懸命頑張ってくれています。これからオリンピックや夏休みの帰省でさらなる感染拡大が懸念される中、次の波が到達する前に多くの方が抗体を獲得することができれば、被害を小さく抑えることができます。ウイルス変異との競争になりますので、手に入ったワクチンは速やかに接種に結び付けていきたいと考えています。

■ワクチンの副反応について

 1回目接種後の腕の痛みや2回目接種後の発熱、頭痛、倦怠感、めまいなどの副反応は若い方に多いようです。今までのところアナフィラキシーショックなど大きな副反応は当院では経験していません。アナフィラキシーショックが起こった場合は、まず院内ですぐにアドレナリン筋肉注射、ステロイド点滴などの救急処置をして、大学病院の高度救命救急センターに搬送することになっています。弘前市では医師会を通じて、バックアップ体制を整えてからワクチン接種事業に臨んでいます。

■個人的なワクチン副反応の経験(直也)

 私は1回目、2回目とも医療従事者枠として愛成会病院で接種しました。1回目は打ったあと全身のかゆみ、腕の痛みがありましたが2日で自然軽快しました。2回目は打った夜の午前2時くらいから悪寒、発熱、頭痛、倦怠感があり翌日の診療は非常につらいものでした。アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)を内服してみましたが頭痛がひどく、ブルフェン(これも解熱鎮痛剤の一種)まで追加して翌々日にやっとトンネルを抜けたような感覚でした。ワクチンのせいだとわかってはいても症状が出ると不安なものです。若い方の副反応には稀に心筋炎があるようですので、胸が苦しい場合などは採血や胸のX線なども撮影して調べています。

■ワクチン予約に関して

ミラーの写真

車で出るとき看板が死角になるためミラーを設置しました。

 ワクチン予約は人力でやっています。ノート1冊に鉛筆で名前とID番号を書くというアナログな管理です。若い方にはネット予約の方が便利なのでしょうけど、うまく使えない高齢者の方が多いのは明らかですので当院ではノート管理をメインにしています。連絡があった方、窓口で申し出のあった方に診療時間外にこちらからあらためて電話連絡しています。茂森新町、西茂森在住の方で以前配布した申込用紙に返信いただいた方にもこちらから電話して予約をとっています。またワクチンは-70℃の冷凍庫から出して解凍すると使える時間が限られます。残薬破棄にならないように時間内に来てくれる方を電話連絡して探すという業務もあります。これもとても骨の折れる作業です。

■今後のワクチン接種のスケジュール

 ワクチンの供給が遅れるという報道がありました。弘前市では(どこの自治体もそうだとは思いますが・・)ワクチンの配送計画は市内で接種する医院の需要と、供給できるバイアル数を実際の数字を突き合わせて管理しています。その中でワクチンの予約を調節している状態です。7月第2週だけをとっても弘前市内全体で約19000人/週に接種はできています。若い方にも必ず順番は回ってきますので、もうしばらくお待ちください。

■検査体制の拡充

 PCR検査は院内検査(1回に4名まで、所要時間2時間)と外の検査会社を利用した検査(翌日夕方に結果判明)の2本立てで行っております。抗原検査はPCR検査には精度的に劣りますが、15分で結果が出るため必要に応じて併用しています。外の検査会社で検査する利点としては変異型の有無も確認できることがあります。6月は月に200件以上PCR検査をしましたが、最近は検査する患者さんは少なくなっています。ただこれまでの経過をみますと、大型連休や帰省の2週間後に必ずコロナ疑いの患者さんが増えます。今後は院内でより早く結果がわかる(15分くらい)PCR検査機器の導入を準備しているところです。これが導入されれば、さらに早く結果がわかるようになるため、迅速に次の治療に繋げることができるようになります。