どんな学校だろうと思うかも知れません。基本的に看護師国家試験を突破するために勉強するシステムです。 私の医院で働く小堀未希さんは弘前市医師会附属准看護学院の1年生です。 午前中は医院で仕事をして、午後に学院で授業を受けています。 私との接点がほとんどなく、勉強の動機付けには持ってこいの環境なのですが、 それを生かし切れていないと思ったのがサイバースクールを開校しようと思ったきっかけです。
さて、サイバースクールとは何か。深い意味はなく、コンピューターネットワークを利用しているので、 何となく響きがいいかなと思い名付けました。 簡単に言うと、インターネットのメーリングリストを使って勉強するということです。 インターネットにつながっていますので、メールのやり取りだけでなく、 必要な情報はすぐに手に入れることができるという利点があります。
パソコンを持っているのに、使いこなしていない人が多いと思います。 事実、私の医院の職員もパソコンを使いこなしている人はほとんどいません。 このサイバースクールで勉強すると、看護関係の知識が増えるだけでなく、 キーボードでの入力はもちろん、メールの使い方やマナー、インターネットで情報を得る方法、 文章や書類の作り方、などをマスターすることができますので、一石何鳥になるか分かりません。
4月から菊池千枝さんが八戸看護専門学校に入学します。これで、看護師を目指す通信制課程には、 井上真利子さんと清野法子さんが昨年入学していますので、3人が在籍することになりました。 つまり、順調に行きますと4年の間に4人が看護師国家試験を受けることになります。 働きながら勉強するのは大変なことです。できるだけ手助けをしてやりたいのですが、 私にも時間が限られていますので、思い通りにはできません。 でも、このサイバースクールでは可能だと思っています。
看護師免許を持っている人も入っていますので、現在のメンバーは、小堀さんを含め看護婦が6人、 市内の病院に勤務し弘前市医師会附属高等看護学院に在籍する人が1人、4月から歯学部4年になる私の次男、 そして私と合計9人が登録されています。 インターネット環境が整えば、もう少し参加できるかも知れません。 また、すでに参加している人がいますが、院外の人でも興味がある人には開放するかも知れません。
1月31日に開始し、2月末で120通のメールが行き交いました。看護の系統的な講義は、看護学院で行います。 このサイバースクールでは、問題集を解きながら勉強することにしています。 つまり、小堀さんが問題を解いてメールで発信し、それについて私が解説する。 場合によっては関連することを質問し、さらに答える。 これを繰り返すことで知識を増やし、理解を深めることで進めて行きます。
看護師を目指す3人は、国家試験がまだ先なので問題を解くことはしていません。 小堀さんが准看の問題を解いているのを見ているだけです。 若い人が勉強するのを見て、年寄りが勉強するというシステムです。 サイバースクールの真の目標は、ひとつでも新しいことを覚えて理解を深め、患者さんの看護を充実させることです。 結果として看護師免許という形のある成果が自然についてくるという仕掛けです。
第38号より