コロナ診療は時間がかかります。検査された方はわかると思いますが、鼻に綿棒を入れるのはほんの数秒で終わってしまうので一体どういうことなのかと思うかもしれません。保健所の行政検査は検査だけなので、次々とたくさんの患者さんを検査することができます。しかし沢田内科ではこれまでの一般診療を圧迫するような事態になっています。どうしてこのような事態になってしまうのでしょうか。

 答えは発熱をきたすコロナ以外の多くの疾患を診断しなくてはならないからです。当たり前の話ですが、発熱する患者がすべてコロナや風邪ではありません。実際にあった診断としては急性扁桃炎(風邪薬に加えて抗菌薬治療が必要です)、急性腎盂腎炎(尿からバイ菌が入る病気)、肝膿瘍(肝臓にバイ菌が入る病気)、胆嚢炎、ツツガムシ病(ダニに刺されて発熱)、伝染性単核球症(ウイルスの病気)、悪性リンパ腫(リンパの癌)などがありました。もちろん数が多いわけではありませんが、流れ作業でコロナ検査だけを行っているのではなく、あくまで「発熱をきたす病気の診療をしている」という姿勢を崩さずに診療にあたっています。

 コロナ陽性の方は、自宅療養中の経過観察目的で電話診療を行っています。ほとんどの方は数日で症状が軽快していますが、どんどん具合が悪くなっていく場合は後方病院に検査、入院依頼をして繋げています。コロナ陰性でも発熱が続く方は、受診していただき他の発熱をきたす疾患や肺炎の検索などを行い、症状がよくなるまで原因を追究して治療をしています。