あけましておめでとうございます。開業して2回目の新年を迎えました。一昨年の4月に開業して即コロナとの戦いに突入したため、思い描いていたような開業医生活とは程遠く、野戦病院のようにバタバタした日々を送っています。今年もよろしくお願いいたします。
■つかの間の平和
前回のニュースレター発行後、令和3年11~12月はコロナの波が去って穏やかな時間を過ごしていました。残業も目に見えて減っていたので、職員も少しは自分の時間が持てたのではないかと思います。当院でもコロナワクチン接種が一段落し、11月27日には久しぶりに職員全員で慰労会を行いました。一年間の振り返り、また新入職員が増えたこともありこれまでの沢田内科の歩みについても美彦から講演がありました。食事をとりながらではありましたが、60分以上にわたり沢田内科イズムが注入されました。
■年末年始の不穏な日々
年末年始、発熱外来でPCR検査が必要な患者さんは当院で対応することになっていました。12月の時点で全国的に少しずつコロナ患者さんが増えつつあるという報道がありましたので、年末の帰省で感染拡大が起こるのではないかと予想していました。そして、予想は当たることになります。1月2日は休みの日ではめずらしく9件のPCR検査を行いました。正月休み明けの1月4日には朝から電話がひっきりなしに鳴り響き、結果的に20件のPCR検査を行いました。年末年始も毎日出勤しておりましたので、全く休んだ気がしませんでした。その後も毎日のように発熱患者さんが増え続け、12月とは全く状況が異なってきていると肌で感じました。成人式、そしてその後の飲み会が次のきっかけになることは火を見るより明らかでしたので、医師会長の美彦を通じて弘前市長に成人式の時に注意喚起していただくようお願いしました。
■そして第6波にのまれゆく弘前市
成人式直後から新成人の発熱患者が殺到しました。話を聞いていると、やはり成人式後の同窓会などが感染の場になったようでした。今年の新成人のみなさんにとってはとてもつらい思い出になってしまったかもしれません。1月13日にはついにPCR検査が1日100件以上となりました。ふだんの外来では1日平均100人前後の患者さんがこられているわけで、発熱患者さんを追加で100人以上診察することになると、採血検査、腹部エコー、内視鏡検査をする余裕がなくなってしまいました。駐車場の問題もありますし、検査しても事務処理が追い付かなくなり、夜遅くまでの残業を余儀なくされました。また診療時間内は電話対応が多くなり、いったんやりかけた仕事の手を止めなくてはならならず、仕事が後手後手に回って大変なことになりました。一部の患者さんには特定健診やがん検診、内視鏡検査を延期してもらうことにしました。
■職員が4人もコロナ感染に。
そして1月12日に1人、20日に1人、24日に1人、26日に1人職員が陽性となりました。いずれの方も症状はのどの痛みや微熱など、幸いにして重い症状ではありませんでしたが10日間自宅療養することになり、とても不安な日々を過ごすことになりました。他の職員、入院患者さん、付き添いの方、清掃員を含めPCRは陰性でしたし、時間差もあったため院内感染は否定的でした。弘前市内はもはやどこで感染したかもわからない状況でしたので、感染経路についてはわかりませんでした。12日に陽性となった職員は22日に無事回復し、他の3人も2月上旬には自宅療養を終え職場復帰する予定です。
■第6波の収束のために。
コロナの特効薬の話がマスコミに出てきてはいますが、まだインフルエンザに対するタミフルのように臨床の現場で気軽に使えるわけではありません。たくさんのコロナ患者さんをみていますが、処方しているのはいつもの風邪薬だけです。今回の第6波は特効薬なしで抑えていかなければなりません。そのためには感染の範囲を確定するために、風邪症状のある方を早めに検査して陽性か陰性かをはっきりさせる必要があります。そのために当院では積極的にPCR検査を行っています。ただ、全国的にこれまでにないほど感染が拡がっているので、検査試薬(PCR検査をするために必要な薬)が手に入りにくくなっています。いつまで今のペースで検査ができるかわかりませんが、最新の情報は沢田内科医院のホームページにアップしていきたいと思いますので、アクセスできる方はそちらもご覧いただければと思います。
第127号より