私は弘前市医師会看護専門学校では学校長を勤めています。大きな行事は、入学式、看護の誓い式、卒業式の3つです。他に学期の終わりには学生に対しての訓示、入学試験、学校の運営に関しての会議、その時々に出てくる問題の解決、資格試験や国家試験対策など、たくさんの仕事があります。

実際に講義も行っています。准看護学科1年生には血液の入門的な講義を4時間しています。これは、血液が体の中でどのような働きをしているのかを教えています。2年生には英語の講義を12時間しています。社会人で入学し、しばらく英語から遠ざかっている学生もいますので、マザー・テレサの生涯を簡単な英語で教えています。市販されていえるテキストをさらに簡単に書き換え、英単語214語でこんなことが表現できるんだということを感じてもらっています。

英語を通して、日本人と英語を母語とする人たちの考え方の違い、文化の違いを知ってもらうようにしています。また、日本語を話す場合と、英語を話す場合に喉、舌、唇の動きがどう違うのかも知ってもらい、実際に真似をするようにしているのですが、どうしてもみんなの前だと恥ずかしさが出てきてしまうようです。

看護学科1年生では、生命倫理7時間、統計学10時間、血液・免疫・感染症5時間の3つの講義を受け持っています。

生命倫理は、いのちをどう考えるかをみんなで考えるのが主目的です。医療従事者ですので、いのちに向き合います。正解がないことですので、いのちをどのように考えるかのきっかけになるようにしています。具体的には、「いのちの終わりは誰が決めるのか」、「いのちの始まりはいつからか」、そして、「臓器移植」の3つのテーマです。

統計学は、専門の先生にお願いしていたのですが、学生のレベルに合った教え方ができる統計の素人の私が教えた方が学生のためになるのではないかと始めました。実際は、むずかしい数式は使わないで、医療現場で統計学がどのような役割を果たしているのかを教えています。そして、統計に必要な、将来医療現場で必要な数学も教えていますが、中学校や高校での数学の復習に時間を費やしています。

血液関連では、一つひとつの病気のことを覚えるよりも、生きて行くための血液の役割、免疫や感染症でどのようにして私たちは外敵から自分のからだを守って生きているのかを講義しています。

3年生には、12月から2月にかけて看護師国家試験対策のための講義をしています。90分の講義を最低で12回、この他にも時間を見つけて国家試験のためのアドバイスをしています。弘前市医師会看護専門学校の国家試験合格率は県内でもトップクラスです。ここ2年連続で1人が不合格になりましたが、合格率はほぼ100%を維持しています。