沢田内科医院で9月1日より研修させていただいております、研修医の中山綺乃(あやの)と申します。普段は黒石市国民健康保険黒石病院で臨床初期研修を行っていますが、今月は地域医療研修としてこちらでお世話になっています。出身は青森市で、趣味はフルートの演奏と折り紙や工作です。研修が始まってからあっという間に3週間が過ぎてしまいましたが、沢田内科医院での研修の様子をお伝えいたします。
朝はまず、澤田直也先生とともに入院患者さんの回診を行います。その後1階に降りて外来で診察や検査を見学します。そこでは私も、通院されている皆さんのお話を聞かせていただいたり、診察をさせていただいたりします。実際に診療させていただくと、澤田美彦先生や直也先生と患者さんとの間の信頼関係の中にお邪魔させていただくようで、実は私は毎回緊張しています。これは、お二人の先生ともに、通院されている患者さんのこれまでの経過、今の生活、そして今後の人生とを考え、責任を持って診療されているからです。臨床研修を行うような大きな病院では、基本的に医師は自分の科の病気しか診ず、また、担当の医師も変わっていくため一人の患者さんを継続して診ることが難しいです。一方、沢田内科医院では長年通院されている方が多く、途中で別の病院で専門治療をしたとしても、その経過も含めてこちらでも総合的に診ています。また、今の病気だけでなく将来のことを考えるからこそ、積極的に検診も勧め予防医学にも取り組んでいます。このような幅広く長期的な視点で診察にあたる経験が私にはなかったため、毎回診察の時は緊張してしまうのですが、その分たくさんのことを学ばせていただいています。診察させてくださる皆さんにもとても感謝しています。
また、研修中は医療のことだけでなく、最近のニュースから日本史や言葉、文化についてなど、様々な話題で先生とお話しすることがあります。私は医学の勉強と自分の趣味とに夢中で、世間のことにあまり関心を持っていなかったことに気づきます。今月は、医学のことはもちろんですが、ほかにもたくさんの興味が生じ、それぞれ調べて学ぶことができ大変充実しております。
地域医療の研修として来ていますが、この4週間だけでも、医療従事者として地域の皆さんをどのように責任をもって診ていくか、そして個人や病院としてどのように地域と関わっていくか、先生お二人や看護師さん、スタッフの方々の姿勢や考えに触れています。残りの研修期間も大切に過ごしながら、自分なりに考えてよい医師になれるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。 (中山綺乃)
第119号より