7月下旬から徐々に発熱の患者さんが増えてきているのを感じていました。8月に入りねぷたが終わると明らかに電話での問い合わせが増えてきました。今回のピークは8月の4週目でした。1週間で最大120名がコロナ陽性となりました。数字だけをみると昨年は最も多い週で最大370名が陽性となっていました。今回の流行はその1/3だったのでしょうか?答えはNoです。コロナが5類感染症として扱われるようになったため、医療機関を受診せずに自分で抗原検査をして市販の風邪薬でしのいだ方がかなりいたのではないかと推測されます。
コロナ診療をしていてとても悩ましいのがやはり後遺症の問題です。これまでの風邪やインフルエンザではこれほど症状が長引いたり、多種多様の後遺症を残すことはほとんどありませんでした。そして、それがまた不安を増幅します。自分の経験からも1週間たって、療養期間が終わってさあ働くぞと思った8日目に38.8度という経過中最高の発熱があったり、3週間たってからのどの痛みが再燃し声が出なくなったりと、次々新しいウイルスに感染しているのかコロナが残っているのか難しい経過でした。人によってはワクチンの副反応が大きいのも問題です。本物にかかって後遺症に苦しむのとワクチンの副反応で苦しむのを天秤にかける必要があるのも悩ましいです。時間の経過とともに新しい知見が出てきますので、そのときどきで最良の選択ができるよう勉強していきたいと思います。
第136号より