医院でのこぼれ話
肺の病気で通院していた斎藤さん(75歳男性、仮名)は、病気が進んできたため入院しています。ほとんどベッド上の生活で、テレビを見るくらいしか楽しみがない斎藤さんに、晩酌をすることを勧めました。後で確かめると、斎藤さんは小さな缶ビールを飲んでいることが分かりました。
- 私
- 「ビールは足りなくないの?」
- 斎藤さん
- 「・・・・・・・・。」
苦しくてもあまり訴えない斎藤さんですから、はっきり言いません。 - 私
- 「奥さんに、もっと大きいのを買ってきてもらったら?」
- 斎藤さん
- 「・・・・・・・・。」
その後、斎藤さんが奥さんに350mlの缶ビールを頼んだという話を聞きました。 - 私
- 「斎藤さん、大きいビール飲みましたか?」
- 斎藤さん
- 「いや、大きいビールは売ってなかった・・・・・。」
- 私
- 「大きいのが売ってなかったら、小さいの2つ買ってもらえばよかったのに。」
奥さんは、大きいビールは買ってきてくれなかったようです。それにしても、大きいのが売ってなかったというのをそのまま信じて小さい缶ビールを飲んでいる人のいい斎藤さん。医院の近くにはお酒専門の店もあるんですけど・・・・。そこには大きいビールがあるのに。
ニュースレター
第53号より
第53号より