ヘリコバクター・ピロリ菌が胃癌の原因であるということはほぼ確実です。 そこで、西目屋村に対して20歳から49歳までの人を対象にピロリ菌検査を行い、ピロリ菌がいる時は除菌治療を行うことを提案しました。 村ではこの対策を予算化し、昨年11月から計画がスタートしました。
胃癌に対してのピロリ菌対策は年代によって2つの方法で行っています。 40歳以上のがん年齢の人たちに対しては、胃内視鏡検査を行って、ピロリ菌に感染している場合には除菌すること、 そして、その後も胃がん検診を継続すること、です。こうすることで、胃癌になる確率を約3分の1に減らすことができます。
もう一つは、若い人たちに対してピロリ菌がいる場合には速やかに除菌することです。日本では若い人たちのピロリ菌感染率は年々低下しています。 ですから、対策を立てなくても将来は日本からピロリ菌はなくなり、胃癌がなくなることが予想されています。 しかし、感染している若い人たちが現実にいますので、これに対応する必要があります。
西目屋村では村民文化祭を行っています。昨年11月17日、文化祭が行われている公民館にスペースをいただき、ピロリ菌撲滅キャンペーンを行ってきました。 何でもそうですが、何かを企画して実行しても、それを受け止める側にその気がなければ空回りします。 一人でも多くの人にピロリ菌というキーワードを知ってもらい、特に若い人には検査を受けてもらい、将来、胃癌にならないようにしてもらうのが目的です。
「大腸がんは検診で 胃がんはピロリ」とただ繰り返しても芸がありませんから、アンケートも取ってみました。 予想に反して、ピロリ菌を知らない人は非常に少なかったです。 3世代家族では、おじいちゃんやおばあちゃんから感染する可能性があるわけですから、機会をみつけてできるだけ多くの人にピロリ菌検査をしたいと思っています。
このプロジェクトもひとつの方法ではうまくいきません。手を替え品を替え、3年から5年程度で対象者全員の検査をしたいと目標を立てています。 そして、将来は西目屋村から胃癌が消えることを願っています。私はその成果を見ることができない将来ですけど。
第79号より