4月に事務室と診察室を改装しました。カルテの電子化を試みたのですが、自分が納得できるシステムがなく、しばらくは紙のカルテで仕事をすることにしました。外来カルテが棚からあふれてきたこと、パソコンのデスプレイがもう一つ必要になったこと、事務スペースが狭くなりもっと効率的に使う必要が出てきたことなどから改装することにしました。
新築と違い改装は何かを犠牲にすることが多いのですが、今回は窓を犠牲にしました。カルテ棚を窓にくっつけることでスペースを確保できました。電話と事務用のパソコンの数を増やして机を真ん中に集めることで煩雑だった事務室がすっきりしました。これで今まで以上に効率的に仕事ができそうです。
私の診察スペースも改装しました。カルテを電子化しないことに決めたのですが、診察をもっとスムーズにするシステムを考えていました。最近は、特定健診やがん検診が多くなり、書類を作るための時間が非常に多くなっています。これを自分がやっていたのでは、いくら時間があっても足りません。そこで、カルテを書くことや書類の処理はできるだけ自分ではやらず、本来の診察に集中するシステムにしました。
私の隣に看護師がいて、事務的な仕事をすることにしました。しばらくの間は井上真利子婦長がその役割を果たします。私はその分、診察に集中できます。診察が終わって患者さんが診察室を出てからも、薬の処方や検査の予約手続きなど、事務的な仕事がかなりあります。この事務的な仕事の時間が短くなりますので、すぐに次の患者さんの診察を行うことができます。これで患者さんの待ち時間をかなり短くすることができます。
改装を決めたのには、もう一つ理由があります。今年から、医師会や本来の仕事以外の活動がますます増えそうです。日中に医院を留守にすることが多くなりますので、代わりに診療してくれる医師をお願いすることがありそうです。その場合に、このシステムにすると、何とかなると思っているからです。
事務的な仕事の時間は短くなりますが、患者さんと向き合う時間は同じですので、むしろ待ち時間が短くなり、医療サービスの質は良くなると思っています。外野席からは、「その分、患者さんと雑談する時間が長くなるんじゃないんですか・・・・」という声も聞こえてきますが。ただ、カルテを見ている時間が短くなりますので、大事なところを見落とさないように気をつけたいと思っています。
第93号より