C型肝炎が治る時代になりました。これまでは、副作用が強いインターフェロンを使った治療でしたが、現在は1日1回の飲み薬を12週間飲むだけでほぼ100%近い人で肝炎ウイスルが消えるようになりました。高齢者にも副作用がなく治療できるようになりました。

日本には約150万人のC型肝炎患者がいると言われ、肝癌の約7割がC型肝炎ウイルス感染者と言われています。C型肝炎ウイスルの検査ができるようになったのが1989年です。それまでは、ほぼ経過観察しかなかった肝炎治療に、インターフェロンという免疫作用でウイルスを体から追い出す治療法が開発され、3割が治った、5割が治ったというデータが示され、当時は私たちには驚きの治療法でした。

さらに研究が進み、直接ウイルスの増殖を止める働きを持つ新薬が開発され、C型肝炎治療が飛躍的に進歩しました。平成27年になり、ついに薬剤耐性の問題を考慮した薬剤が登場し、1日1回の服用で副作用も少なく、100%近い人で治る時代となりました。

カルテを調べてみると、沢田内科医院には、平成27年1年間でC型肝炎ウイルス感染者が96人通院していました。すでにインターフェロン治療でウイルスがなくなっている人もいますし、年齢や合併する病気などを考慮し、約50人を新しい薬で治療するようにリストアップしました。

B型肝炎の治療薬もあります。血液検査ではウイルスがなくなったようになりますが、B型肝炎ウイルスは薬では完全に体からなくすことができません。しかし、肝炎を抑えて肝硬変や肝癌になるのを抑えることができます。沢田内科医院で治療してC型肝炎ウイルスがなくなって10年くらいで肝癌を発症した人がいます。治療しても、肝炎ウイスルがかつて体の中にいた人は、定期的に検査を続ける必要があります。