千年、働いてきました - 老舗企業大国ニッポン
野村 進著、角川ONEテーマ21
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2007/07/15 掲載

企業の平均寿命は35年とも言われています。 日本には100年以上も続いている老舗企業がたくさんあるということです。 紛争や内乱が続く国では当然の結果として企業も育ちません。 古い伝統が息づくヨーロッパでも日本のように古い企業は少ないようです。

何百年も続く企業には、「揺るがない理念がある」のが特徴だといいます。 そして、多くの老舗企業は、『もうかる』か『役に立つ』かの二者一択を迫られると、『役に立つ』を選んできたといいます。 会社の理念が明確でないと、中で働く社員は働く意味を見出しにくいし、 一時的な目の前の利益を考えた経営方針では長続きしないということでしょう。

ヨーロッパ流の商習慣は日本にも入り込んできています。 一時的な利益を求めてリストラもいとわない冷徹な経営判断が求められる時もあります。 会社は株主のものだと、企業買収が盛んになってきました。 しかし、長年培われてきた、経営者と社員の共生型の日本のやり方がやはり、日本にはふさわしいのではないかと思います。 従業員を無視した株主中心主義では、働く意欲がなくなってしまいます。小さな医院も人が働かなければ動きません。人は財産です。